2009年12月09日
≪Camellia & Holly olive≫春の谷のリップルクラット しあわせいっぱいゆめいっぱい
モンスターやグドン、ピルグリム、ドラグナーにドラゴンも居なくなって。
民を害するものを全て退けて。
悲しい争いの記憶は不老種族が伝えるさだめ。
世界は平和になった。
『彼』に関する思いを知り、共に戦ってきたオルーガとその双子の姉妹ヴェルーガ、彼女らの可愛がっているドリアッドの少女アテカ。
彼女達の営む小さなお店へ暫く身を寄せることになった。
勿論、本宅はソロの『二頭鴉の館』なんだけど、アテカ達がかつて依頼で訪れ大好きになったというリップルクラットへ遊びに行く計画をしていると聞き、まだ同行するメンバーに空きがあるというので、一緒に連れてってもらうことになったのだ。
子供店長ことアテカに招かれたボギーさんも、歓迎の小さなお茶会で南瓜やら柚子塩やらの美味しい話をしつつリップルクラットへ馳せる思い。
2009年10月14日
花と煉瓦の街ユフェイム ~愛しさが降りつもるように~
ランドアースには移ろい行く四季がある。
もう何度も、その趣を味わって、何度も通ったユフェイムという街へ、また行くことになった。
今回は数日間滞在して楽しむ趣向で、かの街に遊びに行くときは必ず一緒にと約束したオルーガと、また幸せな悩みに唸りつつw
2009年10月02日
親愛なるものへ
かつて、滅亡してしまったソルレオン。今は歴史が変わって同盟入りしている、かの種族の一人の戦士がいる村がある。
牙狩人であるという彼の名はライーヨ。
滞在する村の子供達に『猫の小父さん』という可愛らしい二つ名で呼ばれ親しまれている彼の口癖は「拙者は猫ではないのでござる……」。
かつて、滅亡してしまったソルレオン王国と共に亡くなったであろう『猫の小父さん』
もしも滅亡していなければ彼はきっと村のために戦ったであろう、今はモンスターとなっている可能性があった。そしてそれを知らぬ村人、とくに彼に二つ名を与えた子供達は今も『猫の小父さん』の死を知らず、村の危機には助けに来てくれると信じているという。
だが、そのとき『猫の小父さん』ことライーヨはこの世に既に亡く。
ライーヨかもしれないそのモンスターを、冒険者達は倒すことで救わんとした。
そして、彼と彼を愛した子供達の花園を守り、彼の誇りを守り、彼の誇りを子供達に伝えた冒険者達はグリモアを発見したという。
かつて、そんな切ない物語があった。
2009年09月18日
ドラゴン掃討:氷海の極竜たち
もう一つ赴いたのは凍てつく海の底に潜んだドラゴン討伐。
霊査によると数は定かではない。けれど、俺やソロ以外にもこの依頼に参加する冒険者は多く、各チームの力量と連携をもってすれば勝利出来よう。
慢心でも過信でもなく。
あまりの冷たさに意識をもっていかれそうな錯覚はそれこそ気のせいだったかのよう。
「さぁ征こうか。僕の天使」
「あぁ、行こう。今と、そして未来の平和のために」
自分と、愛するソロに触れて鎧聖降臨を施し進む。
氷の海に潜むだけあって魔力を帯びた氷のブレスを得意とするのが多いらしい。そして鎧の防御力を無にしてしまうものや追撃をともなうものも。
タロスのお陰でもたらされたアビリティをもってすれば鎧の防御無効化、それすら帳消しに出来る。
「俺の護りは鉄壁だよ?」
無意識に俺は不敵な笑みを零していた。
水中で吐き出された旋風の渦に巻き込まれても俺は打ち砕かれたりはしない。
突出せず、仲間と合わせて攻撃出来るタイミングを計り剣を揮う。
きっと、これがドラゴンウォリアーになって戦う最後だろうな。
昨日、俺はまた誕生日を迎えたよ。
ドラゴン掃討:深緋の流炎
魔石のグリモアの剣の探索を終えて後、各地に散って潜んでいるドラゴン達。その討伐を終えねばならない。
数多くのドラゴン、その数や潜伏場所が判明する中、俺はまず火山の火口に身を潜めたドラゴンの討伐に赴くことにする。
同じ痛みと悲しみを知り喜びも共にしたパートナーのオルーガ、同じ重騎士として神との戦いから生還した尊敬すべきジョルディさん、そして同志として最も信頼すべき友として相棒として愛しい存在にまでなったソロと共に、俺は戦う。
ソロが俺を天使と呼ぶなら、君は俺の光。
ルワを筆頭にしたチームで向かうことの何と心強いことか。
普通の人間ならば冒険者とて一瞬で燃え尽きてしまいそうな灼熱の河が満ち溢れる火山の中、そこへ飛び込むことも怖くない。
大き過ぎる力だと思う。それが俺のドラゴンウォリアーの力に対する認識。だけど、ただ力を求めるでなく、大切なものを護る戦いのためなら。
髪が靡く。逞しさはさほど増さないけれど実年齢に近い歳を重ねた男の姿で、常時より大きくなった白い翼をはためかせ俺は飛ぶ。
盾をかざし常にソロへの攻撃を遮ることを意識し天使の加護を載せた一撃を叩き込む。
そう、ちらりと見かけた、アシュレイさんを護りながら戦うローさんのように。
背中を押してくれるようなルワの凱歌はドラゴン達への手向けの歌のごとく。
ドラゴンは脅威だし多くの命を奪ったから許せない。
だけど感謝もしてるんだ。
こうして仲間を護りながら戦うことを俺にしっかり覚えさせてくれたから。
「でも、ここでさよなら。俺達の未来を壊させはしないから」
ねぇ、愛してるよ。
この世界も、君も。